こんにちは、杉並区浜田山のなんば鍼灸院・整骨院、院長の南波です。
数あるブログの中から、本ブログを読んで頂き感謝致します!
前回は熱発と解毒ということでお話をさせて頂きました。
発熱をすること自体が悪いわけではなくて、身体に必要だからこそ熱発するという内容でした。
今回はお腹を下す解毒についてお伝え致します。
お腹を下すという事は多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。
今までのブログでも所々出てきてきましたが、東洋医学の考えでは「出す」ということは必要な事、大切な事だと捉えます。
「お腹を下す」
ということは
「便秘で出せない」
ということよりもずっと良い反応です。
例えば食中毒を考えてみましょう。
ばい菌だらけの物を食べて、それが体の中に入ったとします。
そのまま体の中にとどまっていては、ばい菌は繁殖してしまいますのでこれは大変なことになります。
そこで身体ではばい菌を排除するためのシステムが発動します。
その内の一つの反応として
「お腹を下す」
というものがあります。
食べ物は口から入って胃腸を通って外に便として排泄されます。
つまり口から入ったものは、口から出すか、もしくは便として出すかということになります。
ばい菌を手っ取り早く出すために起こる反応です。
もしもこれを、「下痢が悪いもの」と捉えて下痢を止めてしまったらどうなるでしょうか?
ばい菌は胃で繁殖し放題になる危険性もあります。
そのことによって胃が病気になる場合もありますし、胃から他の組織に移動して、例えば腎臓に行って腎炎になる、またその他の組織に移動して、例えば関節の節々が痛む等の症状を呈する人もいます。
こうして考えると、お腹を下すことは一時的には辛い事ではありますが、身体にとって非常に有益なことであるとは思いませんか?
ばい菌だけに限らず正常な食べ物にしても、もしも自分の消化吸収機能を超えた物が入ってきてしまったらどうでしょうか?
例えば、
植物でも水や肥料を与えすぎると根腐れをしたり枯れたりしてしまいます。
人も同じで自分の器を超えたものは体を腐らせる(便宜的にこんな表現を使っています)もしくは、老いさせることにつながってしまいます。そこでまた早期に外に出す反応として「お腹を下す」というシステムが発動します。
元々胃腸が弱い方が調子が悪い時に食べるとすぐに下してしまうということはよくあることです。
皆さんの周りにもいらっしゃるのではないでしょうか。
特に日本人は胃腸が弱いので、顕著に起こる方もいらっしゃいます。
これもまた先ほどのばい菌の話と同じで、
消化吸収出来ない物を体の中に溜めておくと腐敗してしまって毒となって体を巡っていくため病気に近づくことになります。
つまり、お腹を下すということが起きたときは決して悪い事とは思わずに
「今は身体を守るために起こってくれている反応だ」
と思い、
さらには「今の生活では自分にとって無理がかかっているのだな」と立ち止まって生活を見つめ直し、改めるように考えるきっかけとして頂きたいと思います。
症状というのは体からの尊いサインだと思って大切にして頂きたいと思います。
今回はお腹を下すということを通じて、
症状は決して悪者ではなく自分自身の状態を教えてくれるものということをお伝えしました。
次回は、嘔吐についてお伝え致します。